真夜中の弥次さん喜多さん

評判より、ずっと見易い、理解できる映画でした。もっと、ちんぷんかんぷんなのかと思ってました。まあ、良々の使い方は、賛否両論だと思いましたが、多分、2回、3回…見に行くにつれて、違和感無く見れる範囲でしょう。
ワイルドだけど可愛い弥次さんを演じる長瀬智也。くど監が描きたかった弥次さんを、きっちり見せてくれたんではないでしょうか?世間で認知されてる長瀬のイメージそのまんま、派手に尻尾を振っているキュートな大型犬。実は、もっと繊細だったりするんですけどね。それが、この映画の後の虎児にはよく出ているように思えます。切ない長瀬の表情が最高っていう。
弥次さんと喜多さんのコンビは、息が合いすぎて怖いくらいでした。もう何度もコンビを組んでるような。これは、今回だけじゃなくって、過去のドラマでも数々の名コンビ技を見せてくれた長瀬ですが、アンサンブルを大切にしたいとインタビューでも語ってる通りです。
中村七之助くんも、夢かうつつか?というような難しい役を、テンポ良く、丁寧に演じてくれて、予想以上でした。おまけに、歌も上手だし。長瀬とのデュエットも素敵で聞き惚れました。これからは、父勘三郎さんに倣って、どんどんテレビにも出てもらいたいもんです。長瀬と大河ってどうでしょう?
とっても豪華な出演者の中でも印象的だったのは、板尾創路小池栄子さん。板尾さんって、サムーイお笑いとしか認識のなかったわたし。すみませんでした。小池さんは、この映画のインタビューで語ってくれてるように、本当に女として悲しい、旦那に惚れてる女房としてお初になりきってくれていました。あのお米をひたすら研ぐシーン。旦那に背を向けて家事に没頭しようとする女。弥次さんの言い訳も悲しく、女なら、誰でも涙してしまうでしょう。
あとは、往年の東映時代劇の悪代官を彷彿とさせる竹内力や、茶屋の山口智充と娘清水ゆみ。瓦版屋の生瀬勝久阿部サダヲは言うまでも無く。
わたし以上の年配の方はともかく、クドカン食わず嫌いの方は、暇があったら是非、見に行ってください。

  • この日買ったもの 

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「おいら」「おめえ」の手ぬぐい