虎ちゃん、泣かせる

タイガー&ドラゴン」七話は猫の皿。大爆笑だった明烏と対照的に泣かされました。
今回は謎だった竜二(岡田准一)が落語家を廃業したいきさつも解け、師匠どん兵衛西田敏行)とも和解できた。そして、そのお膳立てをしてくれたのは虎児(長瀬智也)。虎児って、愛情薄く育ちはしたけど、人の本質を見抜く力を持っている。おもしれえ話をしたがってる竜二を落語の世界に引き戻す策略は見事。古典落語って古いものと思われているけれど、古いものを古い言葉のまま演じても“今”の人には理解し難いので、その時代に適応して個々の演者がアレンジしていくものだ。と米朝師匠の本にあったけど、それを地で行く虎児。おまけに周りの人たちを救ってるしね。男気のあるいい役です。
泣かされたのは2回。1回目は谷中家の食卓。虎児が落語をやりたがっている竜二の話題をふり、小百合さん(銀粉蝶)が嬉しそうに答える。でもね、じゃあって言えない辛い師匠。すると虎児は「俺が出てく。元々他人なんだよ。…だから師匠、あいつ呼び戻してやってくんねえかな。」どん兵衛「元々他人だ?何言ってんだよ。寂しいこと言ってんじゃないよ。どこの誰がな、他人に、しかも俺にとっちゃ、お前、おっかない借金取りに、こんな美味しいご飯食べられるよ。お前さんはねえ、うちの敷居をまたいだときからもう家族の一員なんだよ、ほんっとに、寂しいこと言ってんじゃないよ。んなこと言ってるとお前、小百合ちゃん泣いちゃうぞ、まだ泣いてないけど。もうじき泣くだろう、泣いちゃう。ほら泣いちゃったじゃねえか。いいか、小百合ちゃん泣かせたのは小虎、お前だからね。謝んな、謝んな。ちゃんと。」やっぱり泣いちゃった小百合ちゃん。一緒に泣きました。自己犠牲ができる虎児は、本当の愛を知っている人だ。家族で食卓を囲む。昔は当たり前の光景だったこのシーンが大好きだ。
もう1回は虎児と小百合さんがおでん屋の屋台で語ってるところ。本当の親子みたいだった。ちょっとヤキモチ妬く師匠も可愛いかった。
えらく泣かされたんで、笑ってないかって?んなこたぁない。
竜二に顔を潰されるリサ(蒼井優)。無理やり自分をビジュアル系にはめるジャンプ(荒川良々)。「ドラゴン、ドラゴン、清少ナゴーン」の言い回しが可笑しすぎる竜平(阿部サダヲ)。素人お笑いスカウトキャラバンの3位の商品がビンテージジーンズ。
次回は銀銀救済の回。このままで虎児は救われるのか、とっても心配になってきました。