これは悲劇

長瀬智也主演のドラマ『歌姫』は第七話〜生まれ変わって出会えた夫婦の奇跡〜。
美和子(小池栄子)が四万十太郎(長瀬智也)の妻だと知ってしまった鈴(相武紗季)の母、浜子(風吹ジュン)は勝男(高田純次)にそれを話す。
場面は一転、楽しい岸田家の食卓。でも、うざいムコさん(西村清孝)、ちょっとかわいそうかも。。
美和子の出現で、何かありそうだと感じている鈴は、嬉しいはずの太郎のデートの誘いにも気がそぞろで、心の中に嵐が吹き荒れている。だって、太郎を見て綺麗な涙を一粒。あの涙は只者ではないもの。
太郎は太郎で、美和子の出現でスイッチが入ったのではなく、鈴の存在が大きくなってきていて、、記憶に関する踏ん切りがつかない様子。辛いねぇ。ホント、辛い。思い出したい色々な自分。両親のこと。自分の夢。
一方、先週から登場してきたメリーさん(遠山景織子)の恋人ロシア(丸山麗)と決闘好きのゲルマンが「ひらめ」発言で決闘をすることに。なったはずが、実はへタレなロシアさん(^_^;)。牛乳飲みなら任しておいて!長瀬は牛乳早飲み得意ですきに。ゲルマンの土佐犬みたいなまわしが可愛かったね。
浜子が喋らなかった美和子さんの素性。でも、鯖子さん(斉藤由貴)が言いふらしてしまって。。そこから、鯖子さんの悲しい過去のお話。美しく、恋する乙女だったことと、失ってしまった恋人のこと。だからと言って、町を見回っている理由にはならないのだけれど、鯖子さんにも頷けるお話をつくってくれて、それはそれで良かったです。美和子のことを黙っていても「それで誰が幸せになるがや。太郎にとっても、何がホントの幸せか。これは、とんでもない奇跡ぜよ」という言葉に、抗議する言葉がなかった勝男さん。そうね。そんな勝男さんは、太郎の将来も気になってしょうがない。勝男さんと太郎の会話が相変わらず良いの。
鈴と姉の泉(大河内奈々子)の記憶が戻ったら自分たちのことを忘れてしまうのか?という話を聞いてしまった太郎は切ないね。
クロワッサンの松(佐藤隆太)はあほよ。山之内の親分(古谷一行)が組を解散すると言い、美和子を見守るようにいいつけられたのをいいことに、鈴に美和子と太郎の関係を喋ってしまう。何をあほな。クロワッサンからあんな風に知らされるのは最悪。もしかして、元恋人?とかは想像できても、まさか夫婦だったとは。。ライスカレーの味はずっとずっと、忘れないでほしい鈴。
そんなとき、早くも土佐清水に戻ってきた美和子。自分の立場をわきまえた控えめな言葉にグッとくる。でもね、この10年間、寂しい太郎をいつも励まして、笑わしてくれたのは鈴。あの「太郎とすーずでタロタロ、リンリンリン」でさえ、泣けてくる。
このドラマは、必ず最後で展開が変わる。今回は、美和子が太郎に事実を告白。学生結婚で、戦争未亡人であること。10年間、生きるために働いて、ずっと思い続けたというわけではないこと。でも、最近その夫が生きていたと分かったこと。ここの太郎の台詞が泣かせるし、とてもロマンティック。「惚れちょった男に惚れぬいたら、きっといつか必ず出会えるがぜよ」そして美和子の「久しぶりだね。」この言葉に、10年間の美和子の色んな想いが込められていて、わたしたち視聴者は一緒に泣くしかなかったと思う。ただ嬉しいのではない。悲しさもあり、会いたくても会えなかった愛しい人への10年の想い。どんなだろう?戦争があって、夫の死亡通知が来て、でも必死に生きて。先週もだったけれど、小池さんの美和子そのもののような演技に惹きつけられてしょうがない。先のはなまるで「新婚の自分がこの役をやるのは大変」って言っていたのが嘘のような素敵な小池さん。弥次さんの妻のときには狂気を心の内に秘め好演だったし、やっぱり長瀬とよく合うのだと思う。
タバコ、クリームソーダ。これは太郎が好きだったもの?いよいよ、土佐清水に腰を落ち着け、太郎の傍に居るようになる美和子。太郎と鈴との関係も進展するようだし、じわじわっと進んでいくのかしらん。
ところで、太郎と鈴の仲を取り持ちたい太郎の弟分=ジェームスくん(大倉忠義)。彼はどんな風におせっかいを焼いてくれるんでしょう?はなまる、面白かったよ。