静かなる男、虎児
「タイガー&ドラゴン」第10話は「品川心中」。
第8話、9話の「出来心」、「粗忽長屋」と併せて今回の話では、のんびりと茶々を入れながら、「また下ネタ?ヤーネ」って、お茶の間のテレビを見る感じではなくなってきた。虎児(長瀬智也)が二足のワラジのどっちを取るのか?迫られてきて、とうとう…。
ずっと「流星会」の構成員は何人なんだろう?って疑問に思ってたんだけど、いつもの4人だけだったとは。古臭い仁義を切っていては成り立っていかなかったんだね。天涯孤独の自分を拾ってくれて育ててくれた組長(笑福亭鶴瓶)。何とかカタギにしてやろうと奮闘してくれた組長と日向さん(宅間孝行)の恩義に報わなければ、自分一人で幸せにはなれない虎児。痛いほど虎児の気持ちが伝わってきて、悲しくて、愛しくて。
この噺の今は演じない後半の復讐部分は、ウルフ商会への殴りこみだったということは、やっぱりやっちゃいけないことだったんだね。ただ、ここまでこのドラマを引っ張ってきた長瀬の、全てを持っていった存在感。そこに虎児がいることに、我を忘れて泣き、その後の番組*1は見れませんでした。もうカタギの世界に戻れないのかい、虎児?
- わたし的虎児のツボ
- 組長「落語ておもろいか?」虎「はい、面白いっす」と言ったときの笑い方に続き、借金の残額に余りがでるので、「最後の10万は、わしが短い噺教えたるわ」と組長に言われたときの複雑な顔。
- 「よしこ」で協会のカンパを受け取れず、虎児「俺、優しくされるの、慣れてないからさ」キャー!虎児ー!悲しいね。カッコイイね。
- 心中に失敗した金蔵(長瀬)が頭から血を出して帰ってきたときの長い足*2と、どんなヅラも似合ってしまう不思議な顔。
- 師匠が俺のために付けてくれた小虎って名前が大好きだ(離れた所で泣く小百合さん)。
- 日向さんも組長も襲われて、それでも虎児のためにって言われて「うるせえー!」って時計を引きちぎって師匠との絆を断つまでの虎児に震えました。泣きました。長瀬って、眉間の縦皺も、横皺も素敵だわぁ。
- 「アニキじゃねえだろう、虎だよ」あくまで組長を立てる虎児と、できる事は全てやったと追い込まれても満足の笑顔。
- 虎児以外のツボ
「猫の皿」から間を置いて、落語の世界に戻ってくる覚悟を決めた竜二(岡田准一)だけど、やはり置いてきぼりをくらった様で気の毒かなって。今までもそうだったんだけど、どん兵衛師匠の名前のこととか、入門のお許しのこととか。親子の確執とまではいってなくって、全然カラッとしているんだけどねorz
このドラマが始まる前は、虎と竜の成長物語で、一旦家を出て落語家を廃業した竜二が、周りの皆に助けられながら(主に虎児と拘りながら)谷中家に戻って大円団。と思ってたのだけど違ってました。